新日本プロレス 4月1日 「サクラジェネシス」 観戦雑感 革命戦士・長州力以降のプロレス
【4.1両国大会・第1試合】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2018年4月1日
BULLET CLUB同門対決!
高橋裕二郎&チェーズ・オーエンズ組が、ヤングバックスと激突!
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4月1日、両国国技館に於いて開催された新日本プロレス「サクラジェネシス」大会は、第1試合からバレットクラブ同門対決という、メインでもおかしくないような試合で大いに盛り上がりました。試合はヤングバックスがシャープシューターで裕二郎・チェーズオーエンズに勝利。マットがチェーズにシャープシューターを決めているところにニックがロープ越えのフェイスクラッシャー、リング中央に引き戻して締め上げ、チェーズはギブアップ。ヤングバックスが貫禄の勝利を収めました。
かつてザ・グレート・カブキはインタビューに答えて長州力と維新軍のことを、
「長州がせっかくいいサソリを決めているのに、パートナーがやられている相手の背中にエルボーやトップロープからニーを落とす訳、そうすると俺なんかは“馬鹿だなあ、せっかくのサソリを自分たちで殺しちゃってるじゃない”って。そういうところで“こいつらわかってないんじゃないのか?”って。」
と言うような事を話していました。
プロレスの必殺技とは、それが決まれば必ず試合が終わる、問答無用のフィニッシャーとしてレスラーが大切に作り上げていくものです。昔ながらのアメリカンプロレスでは、マットがシャープシューターに入ったところでニックは手を出さず、立ちはだかるようにしてチェーズがギブアップするのを待っている、これが一般的です。もしかするとマットのシャープシューターがいかに強力か、チェーズと観客に悪態をつきアピールするかもしれません。
かつての日本のプロレスはそんなアメリカンプロレスでしたが、それを変えたのが長州力率いる維新軍です。維新軍は相手の技を受けず一方的にスピード感のある攻めを見せる、所謂「ハイスパート」なレスリングを展開、それまでのプロレスの常識を変えてしまいました。
他のレスラーからは反発もありましたが、何より観客が熱狂的に長州のスタイルを支持し、それを受けて天龍源一郎は長州全日本離脱後に天龍革命をスタート、どの会場で誰が相手でも全力のハイスパートレスリングを見せるようになり、そんな天龍と戦うことによってその怪物性を目覚めさせられたジャンボ鶴田と、その壁を越えるべく立ち向かっていった三沢光晴、小橋建太、川田利明、田上明の4人による至高の戦い「四天王プロレス」へと繋がっていった訳です。
お互いの必殺技が決まってもカウント2.9で返す命をかけた応酬は、「これでダメならどうすれば勝てるんだ?」と観客を熱狂させ、必殺技の更に上の何かを期待させる、激しいプロレスへと進化していきました。
プロレスのあり方は時代に合わせて変わっていき、今は新日本プロレスの「ストロングスタイル」が全世界に広がっていますが、その一方で技や試合の危険度が増し、リング上での事故による負傷欠場も多くなっています。長州力は観客から笑われることを嫌いますが、それはプロレスが危険なもので、常人では考えられないくらいの練習量に裏付けられた戦いである、という考えから来るのではないでしょうか。ニックのシャープシューター(サソリ固め)を見て、長州維新軍から続くプロレスの系譜を見た思いでした。