新日本プロレスニュージャパンカップ2018、飯伏幸太 VS ザック・セイバーJr. を観戦して感じた事を書いてみました。

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タイガーマスクWというレスラーがいましたね・・

アニメとプロレスの世界をクロスオーバーし、初代タイガーマスクを超えた精密な縫いぐるみマスクで飯伏幸太に匹敵するムーブを見せる、新日本プロレスが産んだ次世代型スーパーヒーロー。アニメの終了と共にその姿を消した正体不明のマスクマン・・

ニュージャパンカップ2018、2回戦ではゴールデン☆スター、飯伏幸太とイギリスが産んだサブミッションマスター、ザック・セイバーJr.による一騎打ちが実現しました。

この試合を見ていて感じた事、それはこの二人が「ナチュラル」だったという事。なんのこっちゃ?と思う方もいらっしゃると思いますが、このナチュラルというのは新日本プロレスストロングスタイルを語る上で非常に大事な事。初代タイガーマスク佐山聡がよく口にする言葉ですね。

説明するのは難しいですが、プロレスとは闘いであり、一つ一つの動きは相手を倒す上で矛盾が無く自然であり説得力がなければならない、という意味だと私は受け取ってます。ナチュラルの対義語は初っ切り、になるのでしょうか・・

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飯伏幸太は非常に今風なレスラーで、路上プロレスや空気人形のヨシヒコとの試合など「初っ切り」と言えるような試合を率先して行いながら、長州力プロデュース興行「パワーホール2018」でメインイベントに抜擢されたり、新日本プロレスでもG1に出場したりと、昭和プロレスのレジェンドクラスにもストロングスタイルにも対応できる、振り幅が大きいレスラーです。色々な場面で評価され重宝されるのは、飯伏幸太が決してただのイケメンレスラーではなく、ナチュラルな闘いができるプロレスラーだからでしょう。事実、プロレス入門前には空手の経験もあり打撃にも対応できますし、プロレスの華である空中殺法も、相手を倒す為の、ただ飛ぶだけではない、初代タイガーマスクのような相手を倒しにいく技を見せます。この辺りが昭和プロレスファンからも評価される理由でしょうか。

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一方、ザック・セイバーJr.はランカシャーレスリングの申し子、ナチュラルなチェーンレスリングを得意とするレスラーです。初代タイガーマスク佐山聡も「ヨーロッパのレスラーはナチュラルができるんですよ」と言っていますね。

そんな二人の試合は、お互いの持ち味が十二分に発揮された、ストロングスタイルらしい一戦でした。

初代タイガーマスクのライバルだった初代ブラックタイガーローラーボール・マーク・ロコはイギリスのトップレスラーでした。ねちっこいチェインレスリングと切れのある動き、ベジタリンなのに意外とべらんめえなイギリス気質など、ザック・セイバーJr.からは、似てはいないのにマークロコを思わせるものを多々感じ、タイガーマスクの系譜上にいる飯伏幸太との運命的な繋がりを感じました。

 

飯伏幸太とザック・セイバーJr.の試合を見ながら、アントニオ猪木異種格闘技戦から佐山サトルを通過しUWFへと続く、日本で独自の発展を遂げたストロングスタイルを見た思いでした。この機会に初代タイガーマスクと初代ブラックタイガーのコクのある試合を改めて観戦してみようと思います!

 

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初代タイガーマスク (G SPIRITS ARCHIVES vol.1)